ドケルバン病

舟状骨骨折~見逃されやすいです

見逃しシリーズというのを始めます。

見逃しシリーズというのは、見逃されやすい骨折を、テーマに話をしていきます。

常々見逃しやすい骨折というのを念頭に入れて私は患者さんを診るようにしています。

見逃してしまうと、お互い大変なんで、そういうことはないようにと心がけてはいます。

しかし、ほんとに レントゲンを撮ったり、MRIをとったりしなければ本当に難しいんです。

「うん、これは多分大丈夫だろう、そんな腫れてないし、そんな痛がってないし、 ただ、念のためレントゲンはとりましょう」っていうことでレントゲンをとると・・・まあ、10中8・9大丈夫と思ってたのが 折れてるっていうことは稀にあります。

そういうのを経験していくと、「うん、なんとなく大丈夫」で放置するのは、ほんとに危ないなっていう風に思います。

まず初めは手首。

【20歳代の男性で、 スノーボードに行って、まあスノーボードどうしてもこけないスノーボードっていうのは、ほとんどないんで、こけてしまって、両手をつきます。両手をついて痛いけれど、まあ大丈夫ということで、スノーボードは冬なんで、すごく寒いところなんで、 そんなにその瞬間は痛くないことが多いんです。ところが、車は運転して帰れるし、その後も まあ日常生活はできるし、グーパーもできるし、ある程度重いものも持てるし、ペットボトルも開けれるし、だから大丈夫だろう。ただ、手首の親指側がどうしても痛みが取れないっていうことで、何週間か経ってから整形外科にこられる方がおられます。】

大抵そういう方、「その前に他の病院行ったんだけれど、なんともないと言われました」っていう風に言う方もおられるんですけれど、ま、その方もそうでした。

確かにレントゲン検査だけをするとあきらかな骨折はないです。(私の目では、 軽いスジは見えることもあるんですけれど、そういう目で見なければ、なかなかレントゲンでの骨折の疑いも分かりにくい場合もあります)

診察では、そんなに腫れはないんです。ただ、親指の親や親指の付け根のところで、手首のところあたりが押さえると痛い場合があるんで、そこを押さえてみます。その押さえる場所も、(私の場合は 大体触ったり動かしたりすると、どこににどの骨があるっていうのがおおよそわかりますん)ちょうど折れやすい骨のところを、そこをピンポイントで触って「ここは痛いですか」と聞きます。

そこを 後ろ側から触って痛いですか、前側から触って痛いですか、そういう形で 押さえて、どこが痛いかっていうのを診察します。

そういう風な骨折していそうな場所を押さえて痛いとなると、「おそらくは折れてるのかな」と思います。

そしてレントゲンをとって、ちょっと筋があるかもしれないなっていうことで、更に精密検査をします。

精密検査のCTなりMRIを撮影します。

最終的には、ほんとに折れてるか、折れてないかっていうのは、MRIの方が正確です。

そのMRIをとって舟状骨が折れてるとなると、20代の方なら早めに手術をする場合が多いです。

というのも、【 舟状骨骨折】これはなかなか骨がひっつきにくい骨折なんです。

ギブスを1か月半から2か月ぐらい 巻く必要があるんです。さらに、それでも骨が最終的にひっつかないこともありますし、逆にひっついたとしても、手首がかなり硬くなります。

となると、その後の生活が不便になるんで、若い方の場合は手術をする場合が多いです。手術をしたら、 基本的にギブスはそんな長いことしなくていいです。早く動かせますし、痛みも早く減りやすいです。

ということで、見逃さないように、その場所を診察をして、精密検査をして、その後、手術の方向で 患者さんに話をしていくっていうのが多いです。

今日は手首の見逃しやすい舟状骨骨折についての話でした。