ばね指ストレッチ
おばさん

病院で ばね指と言われました。

以前から 人差し指の引っかかる感じがありました。

朝になると人差し指が曲がったままで、少しすると“カクン”と伸びるようになるんです。

医者正面

ばね指の典型的な症状ですね。

おばさん

ばね指の治療について聞きたいんです。

ばね指の治療は、主に3種類あると聞きました。

①薬(消炎鎮痛剤の湿布や飲み薬)

②注射(炎症を起こしている部分にステロイド薬を注射する)

③手術(腱鞘を切開する)

医者正面

その通りです。

それに加えて、ばね指ストレッチという方法もあるんです。

大学病院の先生が提案した方法です。

お金もかからず、すぐに実践できます。

ばね指になったらばね指ストレッチをしましょう!

ばね指の治療には 薬・注射・手術の方法があります。

他に ”ばね指ストレッチ”という方法もあります。

整形外科医の中でも まだ浸透しきっていない方法です。

お金もかからず、すぐに始められますよ。

ばね指ストレッチとは

ばね指の原因となっている腱鞘を伸ばす方法です

ばね指の原因となっている腱鞘は、指の第3関節(中手指節関節)のところにあります。

その部分を伸ばす方法が2つあります。

ばね指ストレッチのやり方を見ていきましょう。

前後方向に伸ばす

ばね指ストレッチ
前から見たところ
ばね指ストレッチ
横から見たところ

・左手の指先と手のひらで 右手の人差し指をつまむようにする
(人差し指まで届かない場合、指を重ねて試してください)
・左手指は、第1関節を伸ばして 第2・3関節を曲げる
左手指を曲げるように 軽く力を入れる(優しい力)
・20~30秒 保持する
・1日に10回くらい実施する

ばね指ストレッチ
文献1)より引用

上図の如く、第3関節の腱鞘を前後方向にストレッチすることになります。

上下方向に伸ばす

 

ばね指ストレッチ
前から見たところ
ばね指ストレッチ
横から見たところ

・左手指先に右手を当てる
左手指の第3関節が反るようにする
・右手で優しく力を加える
・20~30秒 保持する
・1日に10回くらい実施する

入浴して”ばね指ストレッチ”をすると、温熱効果も加わり 効果が倍増します。

優しく・ゆっくりと”ばね指ストレッチ”を始めてくださいね。

ひどいばね指の場合

ひどいばね指の場合は、先ず注射をする方が良いです

ひどいばね指の場合、
・指が曲がったまま伸びない
・指が伸びたまま曲がらない
事もあります。
(”ロッキング”といいます)

この場合
①先ずステロイド注射をする
②ある程度動くようになってから”ばね指ストレッチ”をする
③それでも良くならなければ手術を考える
のが、現実的です。

動かなくなったばね指で、いきなり”ばね指ストレッチ”をするのはダメなんです。

気を付けましょう。

ひどいばね指を放置した場合

病気になった時に、初めは我慢しますよね。

しかし、我慢の期間が長すぎると 悲しい結果になることもあります。

手術をしても後遺症が残ることも・・・

ひどいばね指の時には
・指が曲がったまま伸びない
・指が伸びたまま曲がらない
事になります。

そのまま数週間放置すると・・・

指の関節が固まってきます。

関節が固まってから”ばね指の手術”をしても、固まった関節は動きません。

数週間の猶予はあるので、早めに整形外科を受診してください。

 

参考文献)

1) 山崎厚郎ほか:深指屈筋腱牽引に伴うA1 pulleyの形態評価.日手会誌34:1046-1048,2018