ドケルバン病
女性笑顔

セカオワのSaoriさんがドケルバン病になられました。

ドケルバン病とはどのような病気なのですか?

医者正面

一般の方にはあまりなじみのない病気ですね。

ドケルバン病は、手首の親指側が痛くなる病気なんです。

手首を使いすぎたり、ホルモンバランスが崩れるときに起こりやすいです。

女性笑顔

Saoriさんは 出産後に病気になったので、ホルモンの加減なんですね。

医者正面

多分 そう思います。

赤ちゃんにミルクをあげる時や抱っこする時に 手首を使いすぎたのも重なって、ドケルバン病になったかもしれませんね。

SEKAINOOWARIのメンバーSaori(33)さんが、第1子出産後に腱鞘炎の一種である「ドケルバン病」を発症し、激痛に悩まされていたことを 2020年2月14日 ツイッターで明かしました。

ドケルバン病は、妊娠~出産のときに起こりやすい病気なんです。

ドケルバン病ってどういう病気ー自分でも診断できるの?

どういう病気なの? どこが悪いの?

腱鞘炎です

ドケルバン病

この部分に腱鞘炎が起きます。

・・・腱鞘炎とは何でしょうか・・・

・・・腱鞘に起こる炎症です・・・

では、説明します。

下の(たどたどしい)絵を見てください。

腱鞘炎

親指を外側に伸ばすスジ(腱)があって、その途中のトンネル(腱鞘)で炎症が起きます。

炎症が起きると、すごく痛いです。

特にドケルバン病は、親指を動かしたときに痛みます。

どんな人がドケルバン病になりやすいの?

手首や親指をよく使う人・ホルモンバランスが崩れている人

手首で腱鞘炎が起こるドケルバン病。

一体 どの様な人がなりやすいのでしょうか?

手首や親指をよく使う

スポーツや仕事で手首をよく使う人は ドケルバン病になりやすいです。

しかし、同じスポーツをしている人でも ならない人もいます。

きっと、身体の使い方が上手なんです。

例えば、テニスのラケットを振るのでも、”手首を効かせる”と言って手首のスナップを過剰に使うと、手首を壊しやすいです。(これは下手な人のやり方だと私は思います。)

親指でスマホを操作する人も、ドケルバン病になりやすいです。

ホルモンバランスが崩れている

更年期妊娠・出産期の女性もドケルバン病になりやすいです。

セカオワのSaoriさんも この時期に発症されました。

その他、糖尿病・関節リウマチ・透析を受けている患者さんもドケルバン病になりやすいです。

自分で診断してみよう

ンケルシュタインテスト変法が一番わかりやすい

ゆっくり・ゆっくりと 下の写真の様に手首をひねってみて下さい。

フィンケルシュタインテスト

速くしてしまうと、痛いときの衝撃が大きいです。

この検査法を、フィンケルシュタインテスト変法と言います。

整形外科専門医の私も、一番信頼している診断法です。

この様な動きをすることで、短母指伸筋腱と長母指外転筋腱を緊張させて 痛みを出やすくします。

この動きをした時に腱鞘の部分で強い痛みが出たら、ドケルバン病の可能性が高いです。

治療法は?

病院へ行って診察を受けるのが苦手な人もいます。

ドケルバン病の場合、ある程度は自分の工夫で対応できることもあるので、見てください。

自分でできる治療

安静

使いすぎ~使い方が上手くない場合は、先ずは出来るだけ使わないようにしましょう!

痛みを目安に、痛くない範囲でしか動かさないように!

決して、「こうすれば痛いかな~」と思って 痛いかどうかを確認しないでください。(この失敗をする人は本当に多いんです。)

装具

手首を固定する装具(サポーター)があります。

サポーターの選び方は・・・

・親指に引っ掛ける部分が付いている

・ある程度硬くて 手首の動きが制限される

上記の2つは必須です。

せっかく装具を付けるなら、意味のある装具を付けましょう。

下記は、アマゾンにあるおススメの装具です。


Bracoo 親指サポーター バネ指 突き指 サポーター 腱鞘炎 関節症 捻挫 手首 固定 サポーター ブラック 左右兼用

病院でしか出来ない治療

痛みの強い場合は、注射や手術をすることが多いです。

通常は ブロック注射を何度かして、それでも良くならない場合は手術となります。

ブロック注射

炎症を起こしている部分に注射をします。

ステロイド(ケナコルト-A®注 等)・局所麻酔薬(キシロカイン®)を使います。

ステロイドは炎症を強く抑え込む力があります。

良く効きますよ。

(ただし、妊産婦や糖尿病の方など、ステロイド注射が出来ない場合があります。)

手術

上記のブロック注射を何度かしても効果がない場合は、手術をすることがあります。

手術は、腱鞘切開術と言って、腱鞘(トンネル)の上の部分を切り開く手術です。

局所麻酔でもできるので、日帰り手術の場合が多いです。