骨粗鬆症ビスホスホネート薬

骨粗鬆症の薬 勝手にランキング ツートップ

納豆を食べて 牛乳にきな粉を混ぜて飲むと良いよ」と 20年前に知り合いが言っていたのを思い出します。

今は 骨粗鬆症と診断されたら 薬を飲むほうが良いと思います。
納豆・牛乳・きな粉を摂るよりも 効果的です。

骨粗鬆症の薬は 沢山の種類があります。
ただし、たとえ保険適応になっている薬でも 効果が・・・のものもあります。
そこで 以下には、私が独断と偏見で 勝手にランキングを付けて 薬を選んで書いていきます。(もちろん 医学的根拠もしっかりと見ています。)

1位 ビスホストネート薬

骨粗鬆症ビスホスホネート薬

薬物名(商品名):
アレンドロン酸(フォサマック・ボナロン・アレンドロン酸
リセドロン酸(ベネット・アクトネル・リセドロン酸
ミノドロン酸(リカルボン・ボノテオ
イバンドロン酸(ボンビバ
ゾレドロン酸(リクラスト

どうして効くの?

ビスホスホネート薬が破骨細胞(骨を壊す細胞)に入り込み、破骨細胞を殺します。

骨を作る細胞(骨芽細胞)は元気なため、骨密度は増えます。

どれだけ効果があるの?

例えば アレンドロン酸を1年間内服した場合、 腰椎骨密度が6.4%・大腿骨近位部骨密度が3.3%上昇したという報告がある。

椎体骨折リスクも32~62%低下します。

どんな人におススメ?

高齢(65歳以上)で高度骨粗鬆症の方に おすすめです。

男女ともに飲むことができます。

剤型も多彩で、錠剤・ゼリー・注射があります。

また、錠剤には 毎日飲むタイプ・1週間に1回飲むタイプ・4週間に1回飲むタイプがあります。

注射には 4週間に1回のタイプ・1年に1回のタイプがあります。

副作用は?

食道潰瘍・顎骨壊死が怖いです。

食道潰瘍は この薬を飲んで直ぐに寝転ぶとなりやすいです。
この薬を飲んで 直ぐに寝転ぶと、この薬が食道の途中に引っかかって その部分に潰瘍ができます。
その為、この薬を飲むときは 起床時にコップ1杯の水と一緒に飲んで 30分は立つか座るかしなければいけません。
また、カルシウム濃度の高い水(ミネラルウオーター)はこの薬の吸収を悪くするため 注意が必要です。

例えば 寝たきりの患者さんで ビスホスホネート薬を投与したい場合は 点滴を選びます。
1か月に1回の薬や、1年に1回の薬もあります。

顎骨壊死とは、顎の骨(顎骨)の炎症がひどくなった状態です。ひどい場合は 口の中から顎の骨が直接見えて 骨の穴が広がっていく事があります。

歯の治療をされている方は 主治医の先生と十分に話し合ってから この薬を処方してもらってください。
ただし、出現する確率は 0.85/10万人・年と 低率です。

詳しくは この論文を見てください。

ここが残念

骨芽細胞には作用しないので 質の良い新陳代謝が起こるわけではない。

1位 副甲状腺ホルモン薬

骨粗鬆症PTH

薬物名(商品名):
テリパラチド(フォルテオ
テリパラチド酢酸塩(テリボン

どうして効くの?

副甲状腺ホルモン薬は骨・腸管・腎臓に作用します。
この薬を間欠的に投与すると 結果として 骨芽細胞を活性化し、骨が強くなります。
破骨細胞は 通常~やや活性低下します。)

骨はたくさん作って 骨を壊すのがやや少なくなるので 全体的には 質の良い骨が増えます。
(ビスホスホネート薬は 骨を壊すのをなくすだけなので 骨の質はそんなに良くないんです。)

どれだけ効果があるの?

例えば テリパラチド酢酸塩(テリボン)を48週間(約1年間)投与した場合、 腰椎骨密度が8.1%上昇したという報告がある。
椎体骨折リスクが80%低下したという報告もある。

どんな人におススメ?

大きく尻もちをついたわけではないのに 脊椎圧迫骨折を起こした方に おススメです。

公には 「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」 の方に注射できます。
注意書きには 「低骨密度・既存骨折・加齢・大腿骨頸部骨折の家族歴 などの骨折の危険因子を有する患者」の方とあります。
具体的な数値が明記されていないので 主治医の判断によるところが大きいです。

通常、骨粗鬆症の薬は 「骨粗鬆症」の方に投与できますが、この薬は 「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」の方にしか投与できません。
その理由は、「高価であるが大きな効果がある」ことが考えられます。

副作用は?

テリボンについて書きます。
副作用に 悪心(24.4%)、嘔吐(13.4%)、頭痛(11.1%)、倦怠感(10.2%)、腹部不快感(6.5%)、めまい(6.3%)等があります。
一過性に血圧の低下・意識消失・転倒することがあるため、投与後30分は病院にいたほうが良いです。

どうやって注射をするの?

テリパラチド(フォルテオ)は、自分で毎日1回 注射をします。
テリパラチド酢酸塩(テリボン)は、1週間に1回 病院で注射をします。

高齢で 圧迫骨折のある患者さんで 少し認知症がある方が、自分で毎日注射するのは難しいです。
そういった理由で、現在 私が勤務している病院では、テリボンを投与しています。

ここが残念

大腿骨に対する効果は限定的。

高価である。

 

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