費用対効果

骨粗鬆症の薬 どれを選ぶ?

骨粗鬆症の薬はたくさんあります。
選択肢が多すぎて、どれを選べばよいか 迷うこともあります。
効果が低い薬でも、宣伝の仕方によっては 判断しにくいこともあります。
そこで、骨粗鬆症のエキスパートの先生方が学会・講演会などで推奨している薬を紹介します。
費用対効果・飲みやすさ・脊椎圧迫骨折や大腿骨近位部骨折の後に投与する薬など、TPO別の紹介をします。

費用対効果(効果が高く、比較的安価)

費用対効果

アレンドロン酸35mg(後発品)週1回製剤

選考理由:骨粗鬆症の薬を 骨密度上昇効果・骨折発生抑制効果(椎体・非椎体・大腿骨近位部のそれぞれの部位ごと)を客観的に評価して すべてにおいて最高の評価をされた薬剤
アレンドロン酸・リセドロン酸・デノスマブである。(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版による)
それぞれの薬を24週間投与すると仮定して 計算しました。

後発品は先発品に比べて安価です。

アレンドロン酸35mg(後発品 週1回製剤)の中でも 薬価の一番安い薬なら、24週間内服して 6134.4円です。(薬の価格のみです。)

飲みやすさも効果も優れている(4週間に1回だけの投与)

飲みやすさと効果

リセドロン酸(ベネット75mg)月1回製剤

選考理由:骨粗鬆症の薬を 骨密度上昇効果・骨折発生抑制効果(椎体・非椎体・大腿骨近位部のそれぞれの部位ごと)を客観的に評価して すべてにおいて最高の評価をされた薬剤
アレンドロン酸・リセドロン酸・デノスマブである。(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版による)

その中で 月に1回のみ内服することでも効果が出るのがこのお薬です。

残念ながら 月に1回だけ内服するタイプは 後発品が出ていません。

リセドロン酸(ベネット75mg)月1回製剤は 4週間に1回内服するとして 24週間内服して 16623.6円です。(薬の価格のみです。)

アレンドロン酸(ボナロン点滴)4週間に1回点滴をする

選考理由:骨粗鬆症の薬を 骨密度上昇効果・骨折発生抑制効果(椎体・非椎体・大腿骨近位部のそれぞれの部位ごと)を客観的に評価して すべてにおいて最高の評価をされた薬剤
アレンドロン酸・リセドロン酸・デノスマブである。(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版による)

その中で 月に1回のみ点滴することでも効果が出るのがこのお薬です。

後発品があります。

アレンドロン酸(ボナロン点滴 月1回製剤)は 4週間に1回点滴するとして 24週間点滴して 先発品なら27762円・後発品なら12786円です。(薬の価格のみです。)

豆知識
アレンドロン酸・リセドロン酸製剤を内服する時、

①起床時に 何も食べていない状態で 水と一緒に内服する

②内服してから30分間は 食べたり飲んだりするのはダメ

③内服してから30分間は 寝転んではダメ

という 注意事項があります。

飲み込みにくい方や 寝たきりの患者さんなど それらの条件を満たせない方には、これらの注意事項を気にしなくてよい点滴製剤が ぴったりです。

脊椎圧迫骨折を早く治す

テリボン 高価

テリパラチド酢酸塩(テリボン)1週間に1回 注射をする

選考理由:骨粗鬆症の薬を 骨密度上昇効果・椎体での骨折発生抑制効果を客観的に評価して この二つの領域で最高の評価をされた薬剤が 11種類あります。
(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版による)

その中で テリパラチド酢酸塩(テリボン)は、脊椎圧迫骨折で 骨癒合を促進させると 文献で報告されています。

この薬を 1週間に1回 皮下注射すると 骨の代謝が活性化されて、結果として 骨塩量が増加します。
主に海綿骨を強くします
背骨(椎体)は 海綿骨の割合が高いため、テリボンの得意とする範囲となります。

テリボンは骨粗鬆症の中でも特に骨折の危険性がある人(具体的には 低骨密度・既存骨折・加齢・大腿骨頸部骨折の家族歴等の骨折の危険因子を有する患者)のみにしか処方ができません。
(制限が設けられているのは、
薬の効果は非常に高いが、価格も高価であるため
だと思います。
高価ではありますが、それだけ効くお薬です。)

また、投与期間は2年間(104週)までです。

副作用に 悪心(24.4%)、嘔吐(13.4%)、頭痛(11.1%)、倦怠感(10.2%)、腹部不快感(6.5%)、めまい(6.3%)等があります。

血圧が低下して めまい等が出現することがあるので 注射して30分は 病院の中にいる方が良いです。

大腿骨近位部骨折を起こした後に 次に 骨折しにくいようにする

大腿骨近位部骨折

リクラスト点滴静注液5mg(ゾレドロン酸水和物注射液)年1回製剤

選考理由:大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン (改訂第2版)の大腿骨頚部/転子部骨折を生じた患者に対する骨折予防策で 唯一 リクラストのみが 推奨されています

大腿骨近位部骨折を起こした方は 骨折後2年間で 13.9%の人がどこかを骨折します。
大腿骨近位部骨折を起こした方にリクラストを投与した場合 骨折後2年間で 8.6%の人がどこかを骨折されました。
つまり、骨折の可能性が相対的に38.1%減りました

日本では2016年11月に発売されたが、欧米では年1回投与製剤として2007年に承認を受けており 欧米でのデータが豊富である。
骨粗鬆症の薬を 骨密度上昇効果・骨折発生抑制効果(椎体・非椎体・大腿骨近位部のそれぞれの部位ごと)を客観的に評価して すべてにおいて最高の評価をされた薬剤が
アレンドロン酸・リセドロン酸・デノスマブです。(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版による)
おそらく 次回の骨粗鬆症の予防と治療ガイドラインでは リクラストもすべてにおいて最高の評価になると予想されます。

 

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