ビタミンD

ビタミンDには、筋力増強や 転倒防止の効果もある事を知っていますか?

骨粗鬆症にも効果があり、魔法の薬みたいですね。

おばさん

ビタミンDには 色々な働きがあると聞きました。

①骨を強くする
②筋力を増やす
③こけにくくする
④痛みを減らす

等があるらしいのですが、詳しく教えてください。

医者正面

注意点や具体的な薬も含めて説明しますね。

ビタミンDで、骨・筋肉を強くしよう

 

ビタミンDは骨を強くしますか?

答え:骨を強くします

骨を強くする作用は有名ですよね。

ビタミンDの作用として、

・腸管からのカルシウム吸収を増やす
・副甲状腺ホルモンの生成や分泌を抑える(骨を壊さなくする)
・破骨細胞の分化を抑える(骨を壊さなくする)

があります。

全て、骨を強くする方向に作用します。

力が強くなりますか?

答え:瞬発力の筋肉がつきます

これは 聞いたことがない人が多いでしょう。

実は、ビタミンDを飲むことで 筋力がつくんです。

ビタミンDは直接筋肉に作用します。

筋肉に ビタミンDの指令を直接受ける”レセプター”があるんです。

血液中のビタミンDが正常の人と 少ない人を比べてみると、Ⅱ型筋線維(速筋線維)の直径(太さ)が、下図のように大きく違いました。¹⁾

血中ビタミンD値 速筋繊維の太さの平均
正常 38.7㎛
低値 15.4㎛

合計42例の論文ですが 明らかに違いがあります。

つまり ビタミンDは、瞬発力に違いが出てくるのです。

(Ⅰ型筋線維(遅筋線維)の太さには 違いはなかったです。)

ビタミンDを摂ることで、筋力がつきやすくなるのです。

こけにくくなるのですか?

答え:高齢者の転倒リスクを約20%減らします

大規模な検証をした論文によると、転倒リスクは明らかに減ります。

高用量(700-1000IU/日)のビタミンDのサプリメントを飲むと、高齢者の転倒リスクは19%減ります。

活性型ビタミンDを飲むと、高齢者の転倒リスクは22%減ります。²⁾

合計5千人を超える人を調査した論文でこの様な結果が出ています。

高齢者はこけると骨折する危険が高いので、これは朗報ですね。

この論文では、ビタミンDのサプリメントでも効果は十分あるようです。

痛みを減らす作用もあるのですか?

答え:ビタミンDが減ると 慢性疼痛を引き起こすことがあります

ビタミンD欠乏により 中枢性知覚過敏を来し、慢性炎症を惹起することにより慢性疼痛を引き起こすことがあります。³⁾

ただし、ビタミンDを飲むことですべての慢性疼痛が良くなるとまでは言えません。

現実的には、ビタミンDは疼痛閾値に影響を与える程度と考えられます。

ビタミンDが少ない状態は、痛みに敏感になりすぎるようです。

ビタミンDを飲み過ぎて怖いことは何かありますか?

答え:高カルシウム血症に要注意

ビタミンDを摂りすぎることで恐いのは、高カルシウム血症になることです。

ビタミンDは 脂溶性ビタミンなので、体の中にたまることがあります。
(ビタミンB・Cは水溶性ビタミンなので、摂りすぎてもおしっこから出ていきます)

・倦怠感
・いらいら感
・吐き気
・食欲がなくなる
・意識レベル低下

こんな症状が出てきたら、病院で血液検査を受ける必要があります。

病院でのおススメの薬はどれですか?

答え:エディロールです

基本的には、エディロール1択です。

ビタミンDの薬は5種類ありますが、圧倒的にエディロールの効果が優れています。

ただし、妊娠の可能性がある人は飲めません。

おススメのサプリメントはどれですか?

答え:高用量(700-1000IU/日)のビタミンDが含まれているものを勧めます

高用量(700-1000IU/日)のビタミンDが1錠で摂れるサプリメントを下に挙げます。

大塚製薬が販売しているものなので、安心感もありますよね。

まとめ

ビタミンDには、

・骨を強くする
・瞬発力の筋肉がつく
・こけにくくなる
・痛みを減らす

等、多くの利点があります。

病院に行きづらければ、サプリメントから始めるのも一つですね。

参考文献)

1)Y Sato, et al. Changes in the supporting muscles of the fractured hip in elderly women.Bone 2002 January; 325-330

2)H A Bischoff-Ferrari, et al. Fall prevention with supplemental and active forms of vitamin D: a meta-analysis of randomised controlled BMJ 2009; 339

3)Shipton EE, Shipton EA.Vitamin D deficiency and pain:Clinical evidence of low levels of Vitamin D and supplementation in chronic pain states.Pain Ther 2015;4:67-87