![イベニティ](https://iiisya.com/wp-content/uploads/2019/02/-e1580442600227-1024x768.png)
主治医の先生が 「骨粗鬆症で世界一の薬を注射する予定です」と仰いました。
どの様な薬なんですか?
![医者正面](https://iiisya.com/wp-content/uploads/2019/10/医者3100.png)
イベニティという名前の薬です。
感覚的には、”今までの骨粗鬆症薬の2倍以上の効果がある”と言っても 過言ではありません。
![腰痛女](https://iiisya.com/wp-content/uploads/2018/12/70onnnayoutuujyouhannsinn.gif.gif)
それは興味深いです。
2019年 2月
骨粗鬆症の薬の中で世界で一番効果のある薬が 世界で初めて日本で 保険適応となった。
つまり、日本の病院で 一番よく効く薬で骨粗鬆症の治療が受けられるのだ。
薬の名前は イベニティ と言います。
イベニティ ~ 今までの薬の倍以上効果があります
どんな薬なの?
1ケ月に1回×12回 注射します
月に1回注射をする薬です。
病院や診療所に行って 2本注射をします。(同じ日に 2本します。)
(2本注射をする理由は、量が多いので 1か所に注射をするより 2か所に分けて注射をするほうが 痛くないからです。)
期間は 12か月間です。(合計 12回です。)
12か月間で注射を終了するのは、
12か月間で 他の薬数年分以上の効果があると判断されたためです。
ただし、その後も 違う薬で 骨密度を減らさない様にする必要があります。
(効果が一生安定する訳ではありません。)
どうして効くの?
骨を作る・骨を壊さない 両方の作用がある
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どんな薬なんですか?
![医者正面](https://iiisya.com/wp-content/uploads/2019/10/医者3100.png)
今までの薬は、主に 骨を壊さないだけの作用でした。
しかし イベニティは、骨を作る・骨を壊さない 両方の作用があります。
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本当に効果がありそうですね。
![医者正面](https://iiisya.com/wp-content/uploads/2019/10/医者3100.png)
そうなんです。
骨を強力に作り、しかも骨を壊さないので、どんどん骨が作られます。
イベニティは ヒト化抗スクレロスチンモノクローナル抗体製剤 です。
つまり、スクレロスチンの効果を遮断します。
結果として、骨を作るのを促し 骨を壊すのを抑制します。
(骨芽細胞を活性化し、破骨細胞を抑制する)
この様に ダブルで骨を作る方向への効果がある薬は 今までなかったんです。
どのくらい 効くの?
今までの薬の2倍以上の効果があります
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数字でいうと、どのくらい効果があるのですか?
![医者正面](https://iiisya.com/wp-content/uploads/2019/10/医者3100.png)
他の一流の薬やカルシウムと比べます。
カルシウムと比べると10倍以上の効果があります。
PTH・ビスホスホネート薬と比べても、2倍程度の効果があります。
![腰痛女](https://iiisya.com/wp-content/uploads/2018/12/70onnnayoutuujyouhannsinn.gif.gif)
一流の薬と比べても さらに上を行く薬なんですね。
数字の上でも 効果が判明しているのですね。
![医者正面](https://iiisya.com/wp-content/uploads/2019/10/医者3100.png)
そうなんです。
客観的な臨床試験で高い効果が示されています。
他の一流の薬と比べても、その効果の違いははっきりとしています。
腰椎・大腿骨近位部の骨密度は、圧倒的にイベニティで改善しています。
他の薬と比較したほうが判りやすいので、以下のデータ¹⁾を検討しましょう。
薬によって 1年後に骨密度が何%増えるかを比較したものです。
それぞれ 50人程度の患者さんの平均値です。
腰椎 | 大腿骨近位部 | |
イベニティ | 11.3% | 4.1% |
PTH | 7.1% | 1.3% |
ビスホスホネート | 4.1% | 1.9% |
カルシウム | 1.8%(5年) | 1.6%(5年) |
(PTH:フォルテオ、ビスホスホネート:アレンドロネート)
(イベニティのデータは カルシウム剤・ビタミンDの投与も行ったうえでの数値です。)
(カルシウム剤は5年間での骨密度の上昇値です。)
この表を見る限り、腰椎でも大腿骨近位部でも 圧倒的にイベニティが骨密度を増やします。
比較している薬(PTH・ビスホスホネート)は、今まで効果が一流と言われていた薬です。
(骨粗鬆症の予防と治療ガイドラインでも 骨密度に関して 最上位に位置している薬剤です。)
この薬さえ注射すればよいの?
カルシウムとビタミンDも飲む
カルシウム・ビタミンDも 併せて毎日飲みます。
その理由は イベニティの副作用に 低カルシウム血症があるためです。
もちろん、日ごろの食生活も重要ですし 適度な運動は必要です。
副作用にはどんなのがあるの?
副作用はすくないが、心筋梗塞や脳梗塞の人は注意
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副作用も少ないんですね。
![医者正面](https://iiisya.com/wp-content/uploads/2019/10/医者3100.png)
そうなんです。
骨の周囲で働く”スクレロスチン”のみを狙った ピンポイントで効く薬なので、副作用が少ないです。
特に注目すべきは、重篤な副作用が少ないことなんです。
他の骨粗鬆症の薬と比べて 副作用は比較的少ないです。
関節痛(1.9%)、注射部位疼痛(1.3%)、注射部位紅斑(1.1%)、鼻咽頭痛(1.0%)があります。
重大な副作用として 低カルシウム血症(頻度不明)が挙げられます。
これを予防するために カルシウム・ビタミンDを毎日飲むほうが良いです。
また、治験段階で 重篤な心血管系有害事象(心筋梗塞や脳梗塞等)が出現しやすい可能性も指摘されています。
心筋梗塞や脳梗塞の予備軍と言われている方・過去1年以内に発作を起こした方は 事前に 主治医の先生に相談したほうが良いです。
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参考文献)
1) 海外第Ⅱ相容量設定試験 McClung MR, et al:N Engl J Med 370:412,2014