腰部脊柱管狭窄症の時に よく処方される薬を説明します。
薬によっては 副作用が高頻度で発生するものもあります。
そういった副作用を起こりにくくする・予防する事も 工夫次第では出来るかもしれません。
そうすることで ブロック注射や手術を回避できる可能性も出てきます。
キーワード:プロスタグランジン製剤
多くの種類の薬がありますが、プロスタグランジン製剤が 副作用・効果の面で 1番おススメです。
(市販はされていないため、病院でしかもらえません。)
腰部脊柱管狭窄症で飲む薬
①痛み止め(ロキソニン・セレコックス)
ロキソニン・セレコックス等、いわゆる 非ステロイド性消炎・鎮痛剤と言われている薬です。
体の中で 炎症が起こっている組織に作用します。
代表的な薬はロキソニンで、比較的副作用が少ないので 市販もされています。
頻度の多い副作用は消化器症状(胃部不快感、腹痛、悪心・嘔吐、食欲不振等2.25%)なので 胃薬も一緒に飲む方が良いです。
②胃薬(ムコスタ・ガスター)
ロキソニンの副作用である消化器症状が出にくくするようにのみます。
ムコスタは胃粘膜保護作用があります。
ガスターは胃酸産生を減らすことで 胃を守ります。市販もされています。
以下に ガスターが購入可能なリンクを示します。
【第1類医薬品】ガスター10<錠> 12錠 ※セルフメディケーション税制対象商品
③プロスタグランジンE1誘導体製剤(オパルモン)
オパルモンは末梢血管拡張剤です。
通常 血管が拡張すると 血圧が下がったり頭痛がしたりしますが、この薬は副作用も少なく 症状が軽い人には長期に渡って内服することも可能です。
腰部脊柱管狭窄症に特徴的な間歇跛行(かんけつはこう:しばらく歩くと下肢にしびれや痛みがでるが 一時休息すると再び歩ける)は、腰の神経を養う血管が細くなることで起こると言われています。
この薬を飲んで この部分の血管を拡張させることで、症状が改善されることがあります。
この薬だけを飲んで症状が良くなることが ひとまずの目標です。
④プレガバリン製剤(リリカ)
リリカという薬です。
この薬は 神経に直接作用して 痛みが脳に伝わりにくくします。
副作用に めまい(20%以上)、眠くなる(20%以上)、意識消失(0.3パーセント以下)等があります。
これらの副作用は この薬を飲み始めてからしばらくするとなくなってくる場合があります。
この薬を飲んでいる間は 車を運転してはいけません。
この薬の典型的な処方の仕方は 1日2回に分けて開始して 徐々に増やしていきます。
主治医によっては 開始時には寝る前だけ飲むようにして その後回数と量を増やします。(私はこの様に処方します。理由は 副作用が原因で薬を中止する人を減らすためです。)
⑤トラマドール製剤(トラマール・トラムセット)
トラマールやトラムセットという薬に含まれる成分です。
麻薬非指定のオピオイド鎮痛薬です。痛みを抑える効果は大きいです。
副作用に 吐き気(41.4%)、嘔吐(26.2%)、便秘(21.2%)、眠くなる(25.9%)、めまい(18.9%)等があります。
吐き気や嘔吐の副作用を予防するために 吐き気止めも一緒に飲みます。
便秘の副作用を予防するために 便秘の薬を一緒に飲みます。
この薬を飲んでいる間は 車を運転してはいけません。
⑥吐き気止め(ナウゼリン・プリンペラン)
ナウゼリン、プリンぺラン等の薬がこれに当たります。
トラマドール製剤を飲む場合 この薬も一緒に飲むと 副作用である吐き気や嘔吐が出現しにくくなります。
⑦便秘の薬(センナ・プルゼニド・酸化マグネシウム)
トラマドール製剤の副作用に便秘があるため 便秘の薬を飲みます。
便秘が起こる理由は トラマドール製剤が大腸の動きを抑えるためです。
そこで理屈的には、いわゆる大腸刺激性下剤(センナ、プルゼニド、ダイオウ等)を使用します。
しかし 実際のところ 、整腸剤(ビオスリー等)や塩類下剤(酸化マグネシウム等)を飲んだら下痢が改善することも多いです。
以下に 酸化マグネシウムが購入可能なリンクを示します。