先日 母親が尻もちをついて、しばらくしてから病院に行き、背骨の圧迫骨折と言われました。
背骨の圧迫骨折について教えてほしいです。
背骨の圧迫骨折ですね。
お母さんのように 尻もちをついて起こることもあれば、歩いているだけで圧迫骨折が起こってしまうこともあるんです。
では、尻もちをついたときに どうして骨折してしまうのかを見ていきましょう。
圧迫骨折とは どの様なものなのか・・・
尻もちで圧迫骨折を起こすメカニズム
上の図を見てください。
こけた時に加わる力をオレンジの矢印で示しています。
①おしりから伝わる上への力
②上体から伝わる下への力
③少し前かがみになる力
この3つの力が加わります。
なるほど。
①おしりから伝わる上への力
これは、尻もちをついたときに お尻にかかるんですよね。
そうです。
②上体から伝わる下への力
これは少し難しいです。
頭や肩を押されたわけではないのに、どうしてこのような力がかかるのですか?
確かにこれは少し難しいです。
体が下に落下していくときに勢いがついてしまいます。
この勢いの力が、②なんです。
①と②で 上と下から圧迫されたような力が加わって骨折するので、”圧迫骨折”と言われます。
③少し前かがみになる力
うーん
尻もちをついた時に 前かがみになりやすいんでしょうか?
はい。
そのような受け止め方で良いです。
尻もちをついた時に少し前かがみになった人が 圧迫骨折をしやすいんです。
母親は 第1腰椎圧迫骨折と言われました。
圧迫骨折を起こしやすい場所ですね。
圧迫骨折は特に 第12胸椎から第2腰椎によく起こります。
(もちろん どの背骨にも起こる可能性はあります。)
背骨の動きのバランスで、その部分に力が集中しやすいようです。
骨粗しょう症が重度だと、
①歩いているだけで背中が痛くなって…
②風邪をひいていて 咳を何度もして だんだん背中が痛くなって…
③盆踊りをした後に背中が痛くなって…
④孫を抱いていたらだんだん背中が痛くなって…
という方はたくさんおられます。
どんな症状?
母親の場合は 尻もちをついた後から段々と痛くなりました。
初めはそれほど痛くなかったから大丈夫だと思っていました。
ところが 日が経つにつれ痛みが強くなりました。
痛む場所も、背中だったり、脇腹だったり、腰骨だったり・・・
最後には 寝返りも出来なかったようです。
はい。
圧迫骨折では、徐々に痛みが強くなることもよくあります。
骨折した所と少し離れた部分が痛む場合もあります。
背中が痛い方が多いです。
特に 寝ている状態から起き上がる時や 寝返りを打つ時に痛みます。
(立ち上がって歩く方が 痛みが少ない傾向にあります。)
また 骨折している場所から離れたところ(腸骨稜:横腹の下で ベルトを掛ける骨)に痛みがでることもあります。
1日目 尻もちをついたが どこも痛くなかった。
念のため病院でレントゲンを撮影して脊椎圧迫骨折が疑われた。
7日目 病院でMRIを撮影して 新鮮な脊椎圧迫骨折と診断された。
そのころから 起き上がる時に少し背中が痛くなった。
14日目 コルセットを装着した。
背中の痛みはひどくなってきた。
3か月目 だんだんと骨がつぶれてきた。
痛みで動けなくなり 手術となった。つまり、時期によっては 症状がない(痛まない)方もあるのです。