手術

圧迫骨折の治療は大きく分けて装具(コルセット)・薬・手術の3種類があります。

手術について 見ていきましょう。

圧迫骨折ー手術をする場合もあります

手術はどんな時にするの?

男性笑顔

圧迫骨折の時に手術をする場合があると聞きましたが、どのような場合に手術をするのですか?

医者正面

手術は、痛みを減らしたり 体が動けるようにするために行います。

骨折の部分が原因でおしっこがでない場合は、初めに受診したときに緊急手術となりこともあります。

男性笑顔

そんなこともあるのですね。

何か月かしてから手術をすることもあるのですか?

医者正面

あります。

・骨折部が 初めの状態と比べて徐々に悪くなる場合
・徐々に腰の神経の状態が悪くなる場合
・つよい痛みが続く場合

は、骨折から長期間経った後でも手術をすることがあります。

手術をするタイミングは 患者さんによって違います。

骨折が進んできて(圧潰が進行する と言います)神経に当たって症状が強いときにも行います

特に 力が入りにくい時や、おしっこが上手にできない時には(この病気が原因でおしっこが上手に出なくなることがあります)早めに手術した方が良いです。

偽関節となり 痛みが続く場合も 手術となることもあります。

この場合、経皮的椎体形成術 という方法もあります。

経皮的椎体形成術 とは

男性笑顔

経皮的椎体形成術

初めて聞く言葉です。

普通の手術とは 何が違うのですか?

医者正面

手術と聞くと、メスで大きく切開して直接骨や内臓を見るものをイメージすると思います。

経皮的椎体形成術は、太い針を背中から刺して、その針孔を通して行う手術です。

従って、患者さんの皮膚の傷は、1㎝未満です。

また 筋肉や骨をほとんど傷めないので、手術の後の痛みが少ないです。

男性笑顔

理想的な手術ですね。

母親も、大きい手術ではなく この手術をしてほしいです。

医者正面

この手術をしている施設は限られています。

病状によっては、経皮的椎体形成術が出来ない場合もあります。

他の手術と同様に リスクもあるので、主治医の先生と相談してください。

経皮的椎体形成術
レントゲンやCTを見ながら 背中に針を刺して 圧迫骨折を起こした 弱い部分に 骨セメント(医療用に使うもので 初めは粒状ですが 液体で溶くと液状になり その後 固まります)を注入して、弱くなった部分を補強します。

この手術をすることが可能な患者さん(手術適応 と言います)は、「保存的治療抵抗性の骨粗鬆症性椎体骨折で 椎体後壁の損傷がない症例」です。
つまり、
①骨粗しょう症が原因で起こる椎体骨折
②コルセットやリハビリの治療をしても 骨折の痛みが続く人
③椎体の後ろの部分の骨折がない人
①~③すべてを満たす人です。

近年 この手術を受ける方は 急速に増加しています。

この手術を受けることができない方もおられます。

①骨折が後方まで及んでいる場合
②将来的な固定手術ができないような場合
③脳・心肺血管系疾患が重篤な場合
④ばい菌の感染が 全身や背中にある場合
⑤出血しやすい場合
⑥骨セメントや造影剤に過敏症がある場合

上記の場合は この手術は受けれません。

男性笑顔

色んな手術があるのですね。

医者正面

今回紹介した 経皮的椎体形成術以外にも様々な手術があります。

その時の状態に応じて手術の方法も変わってきます。

主治医の先生と相談して納得したうえで 治療を進めていってください。