腰痛男

今日のお題 『腰椎椎間板ヘルニア:診断法の王者は MRI』 

MRI は皆さんご存知だと思います。以前 MRIのない頃はどうしてたんでしょうか? CT 検査をしてたんですけれど、その CTをする時にヘルニアのの周りがボワッと浮かび上がるような造影剤を使って(注射して)、それで CT をとるんです。

MRIが 世の中に広まる10年、20年前の話です。 私が医師になったくらいに、MRI が一般病院にも徐々に導入されるようになってきました。私が医師になってからの時代には、基本的にはMRIで診断するようになっています。

このMRIの良いところは、そんなに侵襲がないところです。そんなにというのは、すごく曖昧な言い方です。 MRI っていうのは、電池のプラスマイナス・電子レンジのようなかんじで、磁場を作って、その磁場の中で検査をする、こういった検査方法です。磁場に弱い機械をを体の中に埋め込んでいる人は MRI ができません。代表的なのは心臓のペースメーカーです。その他にも刺青をしている人、特に赤い刺青は鉄分が多く含まれているので、そういう人にはすごく MRI が取りにくいです。そういった、ちょっと残念な点はあるんですけれど、ただその人を除くとすっごく便利な機械です。

さっき心臓のペースメーカーを埋め込んでいる人には MRI ができないって言ったんですけれど、最近はそのペースメーカー自体も MRI に対応できるようなペースメーカーもあります。特殊なペースメーカーを埋め込んでいると、そのペースメーカーに「一時的にMRIに入るかもしれないので、いろんなことに反応しないように」という指示を出します。そうしている間は MRI の機械に入っていても心臓のペースメーカーの機械が壊れないです。その MRI の検査が終わった後に、「 MRI が終わったから今まで通りで働いてくれ」って言うと、ペースメーカーは今まで通りしっかりと働いてくれます。そういったペースメーカーも出ています。

すごい世の中ですよね。だからMRIをる時には基本的にはペースメーカー入っているかを聞きます。あと、歯のインプラントを入れてる人も、インプラントによっては磁石を使っているインプラントのかたもおられるので、その方もMRIはだめです。

その他にも、古い時代に頭の動脈瘤の時にフリップをかけるような手術をしている方。30年以上前ぐらい、つまり、 MRI が開発される以前の時代にそのような手術をされた方も、MRIが取れません。

この MRI 、いろんな取り方が可能ですが、水分を白く写したり黒くうつ出したりいろんな取り方があって、そういう取り方を何種類かできます。さらに、MRI のすごいところは、縦切り横切り斜め切り、更にそれらを積み重ねて立体的に撮影する。いろんな撮り方ができます。

ただ、MRIの悪いところは、少し時間がかかるところです。

今出ているMRIには色んな強さがあって、例えば大学病院では3.0テスラという強さもあります。これはかなり特殊なMRIで、これは磁場が強い代わりに、スピードが速く、精密さも高いです。私の病院では1.5テスラ、これは一般病院ではまあまあのレベルのMRIです。

3.0は大学病院クラス・1.5は一般病院クラス・0.2や0.3は開業医クラス と考えていただければよいかと思います。0.3テスラ一番能力は低いやつなんですけれどそれでもある程度はヘルニアも見えます。

1.5テスラのMRIは、ドラえもんの広場にある土管の中に入るようなそんな感じの MRIです。0.3テスラの良いところは、オープン型の MRI ともいうのですが、自分がサンドイッチの中に入ってるような感じで、上と下で50 CM 位空いたような空間に入るものです。周囲が解放されているので、 閉所恐怖症の人でも比較的入りやすいっていう風には言われています。

 

上記は、私が配信しているラジオ【スタンドFM】の内容です。

以下に、スタンドFMのURLを貼り付けますので、良ければ聞いてください。

♯3 腰椎椎間板ヘルニア〜診断の王者はMRI