変形性膝関節症 歩き方

変形性膝関節症ー減量するよりも 歩き方を工夫しよう

キーワード:氷の上を歩くように・・・そして楽しい気分で・・・

減量か 膝の力を抜いて歩くのか どちらが簡単に出来そうですか?

実は・・・

膝の負担を考えると、膝の力を抜くだけで 減量と同じ効果があるんです。

減量するより 力を抜いて歩く方が簡単?

医者正面

減量するのと 膝の力を抜いて歩くのと どちらが簡単そうですか?

男性笑顔

もちろん、膝の力を抜いて歩く方が簡単ですよ。

力を抜いたら良いだけなんでしょう?

医者正面

はい。

結果としては 力を抜いたら良いだけです。

でも、うまくできる人は少ないですよ。

力の抜き方が難しいんです。

簡単に言うと、”リラックス”して”しなやか”に動くんです。

では、力を抜くことの大切さを見ていきましょう。

片足立ちの時の体重のかかり方

問題:
体重50㎏の人が片足立ちをした時、その膝にかかる重さは何kg位になりますか?

①体の力を極力抜いた人(膝を曲げ伸ばしする筋肉は ほぼ使っていない場合)

②体の力を極端に入れた人(膝を曲げ伸ばしする筋肉をそれぞれ20㎏使っている場合)
それぞれについて答えなさい。

片足立ち

医者正面

先ずはこの問題を考えてみてください。

歩く時には 片足立ちになる瞬間があるんです。

今は単純に 片足立ちをしている場合を考えます。

先ずは ① 体の力を極力抜いている場合です。

男性笑顔

50㎏の体重を片方の膝だけで支えるのだから、片方の膝に50㎏の力がかかる・・・

医者正面

考え方としては ほぼ正解です。

厳密にいえば、膝から下の部分の重さがかからないので、足からふくらはぎの重さを3㎏と考えたら、47㎏です。

少し意地悪な問題ですよね。

続いて② 膝を曲げ伸ばしする筋肉をそれぞれ20㎏使っている場合です

男性笑顔

膝に20㎏の力をかけるから、47+20=67

67㎏ですか?

医者正面

うーーん。

もうひと捻り 考えてみてください。

男性笑顔

えーーと。

前から20㎏の力が足されて、後ろから20㎏の力が足されて・・・

47+20+20=87

87㎏ですか?

医者正面

そうです。

正解です。

力を入れているのと入れていないのと、膝にかかる体重は87㎏と47㎏で、こんなにも差があるんです。

男性笑顔

ほぼ 倍くらい ちがうんですね!

びっくりしました。

なんとなく、筋肉を鍛えるのは 良いことばかりだと思っていたのですが、こういう考え方もあるのですね。

医者正面

膝にかかる負担は、色んな事が影響しているんですよ。

力を抜くことが全てではない

医者正面

ここまで話をして、『力を抜いて歩くことが大切』ということが分かってきたと思います。

力を入れ過ぎて歩くと、体重プラスαの負担がかかるんですもん。

男性笑顔

では、とにかく力を抜いて歩くことを考えれば良いんですよね?

でも、力を入れなければ動けないし・・・

どの位の力を入れれば良いんだろう・・・

医者正面

キーワードは”しなやかに歩く”です。

逆に、ロボットのように歩くと下手に力がに入りやすいです。

男性笑顔

”しなやか”というのは 抽象的ではっきり分からないです。

例えば 何を意識するとよいのですか?

医者正面

動物が歩くのをイメージしてみて下さい。

なんとなくのイメージですが、動物が歩くのは 軽やかに・無理をせずに歩いていますよね。

しかも、全身を使っています

ただし、動物が走るのをイメージしないように注意してください。

走るのは、体が出来上がってからの運動です。

男性笑顔

”しなやか”に歩くと 何が良いのですか?

医者正面

例えば膝について考えてみます。

”しなやか”を意識することで、曲げる筋肉と伸ばす筋肉のバランスを取ろうとします。

”しなやか”に動くためには、柔らかく動かす必要があります。

柔らかいというのは、余分な力が抜けているということです。

曲げる力と伸ばす力をケンカさせないということにもつながります。

大変難しいことを言っていますが、先ずは雰囲気を理解してほしいです。

男性笑顔

はい。

先ずは雰囲気をつかむようにします。

”しなやか”に”柔らかく”ですね。

つま先で蹴って歩かない

キーワード:氷の上を歩くように

氷の上

男性笑顔

歩き方を考えたことがあまりなかったので、新鮮なアドバイスです。

その他に 工夫することはありますか?

医者正面

そうですね。

初めに皆さん張り切って歩いて 体に無理が来ることが多いので、少しずつ始めてください。

それと、つま先で蹴って歩こうとする方が多いので、それはやめたほうが良いです。

男性笑顔

へぇー。

初めて聞きました。

医者正面

つま先で蹴るのは 動物が走る時です。

結果として 蹴ったように見えるだけです。

体育会系の体になって初めて出来る動きです。

形だけをまねしても、体を壊します。

男性笑顔

どの様に意識すれば つま先で蹴らない歩き方が出来ますか?

医者正面

例えば スケート場で 氷の上を歩くことを想像してみて下さい。

ゆっくり・そろーーっと歩きますよね。

しばらくして 慣れてくれば バランスを取って歩きだせます。

欲をかいて さっさと歩こうとすれば、滑ってしまいます。

男性笑顔

はい。分かります。

勢いよく歩こうとしたら、滑ってしまいます。

医者正面

そうなんです。

勢いよく歩く時には、つま先で蹴っているんです。

散歩のときにも、勢いがついて「歩いたぞ」という満足感はありますが、それではダメなんです。

目的は”体に優しい歩き方”なので、気を付けてください。

男性笑顔

早速 今日から 試してみます。

医者正面

歩くことを考えるだけでも楽しいですよ。

自分で工夫しながら 楽しんでください。

”良い歩き方”とは・・・

・歩く時に痛みがある人にとっては 短期的な観点からみると、痛まない・早い・長く歩ける・簡単に習得できる のが良いのかもしれません。
・山登りをする人にとっては 長距離も疲れにくく・重い荷物を持っても体が疲れにくい歩き方 が良いです。
・モデルの人にとっては 目立てる・美しく見える のが良いのでしょう。

人それぞれ 違った考えがあります。

今回は、変形性膝関節症の方に”歩き方”を考えるきっかけとなってほしいと思い この記事を書きました。

私が思う ”本質的に正しい歩き方” でもあります。

工夫のしかたー私のひとりごと・・・

・身体を踏ん張ろうとすると、全身に力が入ります。
逆に身体を浮かそうとするイメージを持つと、無駄な力が抜けます
(あくまで イメージの世界です・・・)

楽しい気分で歩くことは とても大切です。
リラックスするので 余計な力がかかりにくく、しなやかに歩きやすいです。

気分良く歩ける範囲で歩く。
毎日の義務で歩くと 無理をして変な力がかかりやすく、悪い歩き方になります。
歩くのは 体と自分の共同作業です。
体に命令をして 無理強いをすると 後で痛い目にあいます。
体に話しかけるようにしながら、楽しく歩きましょう

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