コロナウイルスについて分かっていること
コロナウイルスについて 少しづつ明らかになってきた情報をもとに、記事を書きます。
どのくらい怖いウイルスなのか
今回のコロナウイルス(SARS-CoV-2)による肺炎が発覚して、まだ数か月です。
その数か月で、世界各地で感染者が発覚しています。
感染力が強く、死者も多数出ています。
先ずは、そのウイルスの特徴を見ていきます。
致死率
致死率とは、その病気にかかった人がどのくらいの割合で死亡するかというものです。
コロナウイルスの場合、2020年1月29日時点で発表されている中国本土の感染者と死亡者を単純に計算すると、
感染者6061人
死亡者132人
致死率2.17%
となります。
過去の感染症と比べると・・・
・SARS:別の種類のコロナウイルスで引き起こされる:致死率約10%
・MERS:致死率約35%
・インフルエンザ:致死率0.02%
SARS・MERSこの2つの感染症と比べると、致死率は低くなっています。
しかし、インフルエンザと比べると 圧倒的に致死率は高いです。
恐いウイルスですよね。
潜伏期間
潜伏期間とは、病原体に感染してから 体に症状が出るまでの期間です。
潜伏期間は、平均5.2日だとする論文があります。³⁾
厚生労働省の情報によると、『潜伏期間は現在のところ不明ですが、他のコロナウイルスの状況などから、最大14日程度と考えられています』と書かれています。
コロナウイルスが体の中に入って、2週間してから症状が出る・・・
世界中のあらゆるところに運ばれる可能性があります。
生息部位
ヒトの体に入って、どの部位に生息するのかは ウイルスによって違います。
コロナウイルスは、下気道:つまり肺に生息しやすいです。
そこで増殖すると 肺炎になります。
インフルエンザは上気道:主に鼻の奥の部位を好みます。
ウイルスによって、生息しやすい場所が違うんです。
コロナウイルスは子供には感染しないのか
子供の場合、コロナウイルスが体に入っても、症状がなく 重症になりにくいのでは・・・(仮説)
・コロナウイルスの感染者425人を対象とした論文では、15歳未満の感染者はいませんでした。³⁾
・半数以上の年齢は60歳以上でした。³⁾
・違う論文では、症状のない10歳の少年にコロナウイルスが見つかりました。¹⁾
これらの事実から、子供の場合は コロナウイルスが体に入っても、症状が出にくく、重症化しにくいことが予想されます。
しかし、ウイルスが変異して 更に凶暴なウイルスになることも考えられるので、気を引き締めましょう。
コロナウイルスの症状
初めに出る症状は発熱、咳、痛み。
それから息切れや肺炎の合併症に発展することがある。
もちろん、重症にならない患者もいる。
患者によっては肺炎の症状が急速に深刻化します。
感染しても全く症状が出ない人もいるので、知らない間にコロナウイルスがばらまかれることもあります。
治療
コロナウイルスをやっつける薬は 今のところありません。
対症療法と言って、水分を摂れなければ点滴をし、熱が出れば解熱剤を入れるといった治療がメインになります。
ただし、中国では、ウイルスの増殖を抑える薬(HIVの薬)を投与しているとのことです。
しかし、その薬にコロナウイルスを抑える効果があるかは 今のところ分かりません。
(暗中模索中です。)
予防
以下の記事を参照ください。
医学部主席入学の私が解説します。猛威を振るっているコロナウイルス。厚生労働省などが勧告している内容を分かりやすく更に詳しく解説しています。何よりも予防が大切です。マスクをするならN95・手の消毒には70%以上のアルコール・物の消毒には次亜塩素酸です。
日本語でリアルタイムに確認できる情報は、
中華人民共和国湖北省武漢市における新型コロナウイルス関連肺炎の発生について
がおススメです。
感染者・死亡者も確認できます。
2020年1月30日現在、分かりえる情報をもとに(主に 世界的権威のある論文:LancetやNEW ENGLAND JOURNAL OF MEDICINEを参考に)症状やウイルスについて書きました。
参考文献:
1) Jasper Fuk-Woo Chan et al :A familial cluster of pneumonia associated with the 2019 novel coronavirus indicating person-to-person transmission: a study of a family cluster.Lancet (London, England). 2020 Jan 24; pii: S0140-6736(20)30154-9.
2) Chaolin Huang et al :Clinical features of patients infected with 2019 novel coronavirus in Wuhan, China.:Lancet (London, England). 2020 Jan 24; pii: S0140-6736(20)30183-5.
3)Qun Li et al : Early Transmission Dynamics in Wuhan, China, of Novel Coronavirus–Infected Pneumonia :NEW ENGLAND JOURNAL OF MEDICINE: January 29, 2020 DOI: 10.1056/NEJMoa2001316