先生、新型コロナウイルスのワクチンが話題になっていますね。
色々なメーカーが開発しているそうですが、本当に効果のあるワクチンは開発されているのですか?
新型コロナウイルスのワクチン開発を始めてから1年も経っていないのに 多くのワクチンが開発され、現時点で有効なワクチンも複数あります。
ファイザー社のワクチンは4.3万人に臨床試験を行い、95%の有効性がありました。
モデルナ社のワクチンは3万人に臨床試験を行い、94.1%の有効性がありました。
90%以上も効くんですね。
直ぐにでも打ちたいです。
日本政府も国民全員にワクチンがいきわたるように、それらの製薬メーカーと契約をしています。
それらのワクチンについて説明しますね。
続々と新型コロナウイルスに対するワクチンが開発されています。
中国・ロシアをはじめ、諸外国ではワクチン接種が始まっています。
(このページでは、中国・ロシアで接種されているワクチンについては、客観的データが公表されていないので言及していません・・・
日本政府が中国・ロシアのワクチンを導入する計画は、今のところないはずです。)
今回は、日本で接種される予定のワクチンについて見ていきましょう。
ワクチン比較ーファイザー・モデルナ・アストラゼネカ
日本政府が大口契約している海外の製薬メーカーは、ファイザー・モデルナ・アストラゼネカです。
それぞれのワクチンの特徴をまとめた表を見てください。
ファイザー | モデルナ | アストラゼネカ | |
日本政府と契約 | 7200万人分 | 2500万人分 | 6000万人分 |
価格(1人当り) | 40ドル | 66ドル | 8ドル |
効果 | 95% | 94.1% | 62~90% |
副作用 | 2%超が疲労感 | 10%が強い倦怠感 | |
投与回数 | 2回 | 2回 | 2回 |
投与間隔 | 3週間 | 4週間 | 30日以上 |
保存方法・保存期間 | 冷蔵庫で5日間 -70度で15日間 |
冷蔵庫で30日間 -20度で6か月間 |
冷蔵庫で6か月間 |
(緑バックはメリット・ピンクバックはデメリットで表現)
どのワクチンが一番良さそうか・・・(私が打つならファイザー)
私が打ってもらうのなら、ファイザー社のワクチンです。
有効性が90%を超えており、副作用も少なそうです。
ただし このワクチンの欠点は、保存方法の難しさにあります。
特別な保存箱(ドライアイスで-70度にしたもの)に入れて15日しか保存できません。
更には、生産拠点からそれぞれの病院に運ばれて、冷蔵庫に入れてから5日間しか保存できません。
病院側が、いつ・何人の方がワクチン接種を受かるかを予想するのは難しいので、ワクチンの在庫管理が非常に難しいです。
モデルナ社のワクチンのメリット・デメリットは?
モデルナ社のワクチンは有効率が94.1%と非常に高いです。
ファイザー社の95%と比べても、ほぼ変わりありません。
有効率の内容をさらに詳しく見ると 重症にならないようにするための有効率は、
モデルナ社:100%
ファイザー社:99.4%
と、モデルナ社のワクチンを打っていれば、たとえコロナウイルスに感染しても重症にはならないということです。(3万人の臨床試験の範囲では、モデルナ社のワクチンを打っていた人は 1人も重症化しませんでした)
更に、冷蔵庫で30日間保存できるので、在庫管理がしやすいです。
デメリットは、副作用が多いことです。
10%の方は、日常生活に支障をきたすほどの倦怠感が出ます。
アストラゼネカ社のワクチンのメリット・デメリット
このメーカーの魅力は、『非営利』を掲げているところです。
10億回分を低・中所得国に配分する方針も示しています。
この心意気・・・しびれますよね。
その結果、一人当たり8ドルという低コストで提供される予定です。
このワクチンの魅力はそこだけではありません。
冷蔵庫で6か月の保存が可能なんです。
このことにより、発展途上国での流通も容易にできます。
大変すばらしいワクチンです。
ただし、有効率が62~90%と、接種方法によってばらつきがあります。
このことから、治験結果の信頼性を疑問視する声も上がっており、さらなる治験を要す予定です。
今後の課題
効果のある期間は・・・一度ワクチンを打って、どの程度の期間効果が持続するのか。
ワクチン接種回数・・・ワクチンを1回だけ打っても しっかり効くかどうか。
等、多くのことが課題となってきます。
多様なワクチンの作成方法がされているので、その中に良き薬が含まれていることを、切に望みます。