寿命を延ばすスポーツ
女性笑顔

運動不足なので運動をするように言われるんです。

せっかくするなら、どんな運動をするか・・・

悩んでいるのです。

医者正面

なるほど。

解ります。

運動は、長く続けることが大切なんです。

先ずは、ウオーキングから始めることを勧めます。

少しづつでも続けられる運動が良いと思いますよ。

女性笑顔

そうですよね。

せっかくなので、長生きできる運動があればなぁ・・・

そんな運動ってありますか?

医者正面

欲張りですね!(笑)

運動別に寿命の延び方を見た論文もあるので、それも参考にしてみましょうか。

一番 寿命が延びるのは テニスなんですよ・・・

どんなスポーツが寿命を延ばすのでしょうか・・・ランキングもあります

座る時間が長いのは・・・寿命を縮めます

もともと 人間は 動く生き物です。

歴史的には、95%は狩猟採取民であったことが分かっています。

つまり、われわれの祖先は 狩りをしながらの移動生活を送っていたので、運動量は非常に多かったと考えられます。

ところが現代の生活では・・・

運動不足の人が 多いですよね。

実は、そのことが寿命にも影響しているのです。

座っている時間が長い人ほど 死亡率が上がる・・・そんな論文があります。

座る時間が1日11時間を超える人は、4時間以内の人に比べて死亡リスクが40%上昇する

2012年 オーストラリアのシドニー大学の論文¹⁾によると・・・

45歳以上のオーストラリア人における座位時間と死亡率の関係を調べた結果、

一日の座位時間0〜4時間を1とした場合

座位時間が8〜11時間では、死亡率が男性で1.12倍、女性で1.24倍

座位時間が11時間以上になると、死亡率が男性で1.32倍、女性で1.62倍

となりました。

つまり、1日11時間以上座る人は4時間未満の人と比べると、死亡リスクが男性で30%、女性では60%アップしてしまうというのです。

 

“Sitting is the new smoking”

タバコが体に悪いのは 皆 知っていますよね。

座っていることも、タバコと同じく体に悪いのです。

せめて 天気の良い日は体を動かしましょう!

平均余命を延ばすスポーツランキング

1位:テニス 2位:バドミントン 3位:サッカー

スポーツを選ぶときに、『長生きできそうなスポーツをえらぼっ!』という若者はいないですよね。

しかし、歳をとってくると いろんな考えでスポーツを選びます。

その様な方のために、一つの参考として みていただきたい論文²⁾があります。

デンマークで8577人を対象に、最高25年間に渡って運動をする人としない人を比較した研究です。

どの様なスポーツが寿命に影響するのでしょうか?

あまり運動をしない人と比べて、スポーツをする人は平均余命が伸びるのです。

テニス 9.7年
バドミントン 6.2年
サッカー 4.7年
サイクリング 3.7年
水泳 3.4年
ジョギング 3.2年
自重トレーニング 3.1年
ジムでのトレーニング 1.5年

(表:論文²)より作成)

あまり運動をしない人と比べて 平均余命がどの程度違うかというと・・・

テニスをする人は 平均余命が9.7年も伸びています。

テニスは究極的なインターバルトレーニングで、有酸素運動と無酸素運動が絶妙に組み合わされているためです。

全体的な傾向を見ると・・・

複数でするスポーツの方が長生きできる⁉

上位3つのスポーツは、複数で行うスポーツです。

下位5つは 独りでもできるスポーツです。

これだけはっきりと順位付けされると、複数でするスポーツの方が 長寿と関連しているのでしょう。

コミュニケーションを取ったり、相手と駆け引きすることも 長寿に関わっていそうですね。

有酸素運動と無酸素運動の組み合わせの方が長生きできる⁉

同様に、

上位3つのスポーツは、有酸素運動と無酸素運動 両方行うスポーツです。

つまり、直接 対戦相手がいるスポーツは、”ここぞ”という時に無酸素運動をします。

 

下位5つは 主に有酸素運動のスポーツです。

ひたすら自分を鍛えていくときは、自分のペースでコツコツと行う運動なので (主に)有酸素運動です。

 

寿命のことを考えると、有酸素運動と無酸素運動の組み合わせが 大切です。

まとめ

今回の論文では、スポーツの種類が限られています。

自分がしているスポーツは、平均余命を沢山伸ばしてくれているでしょうか?

 

人と関わるスポーツ・有酸素運動と無酸素運動の組み合わさっているスポーツは、寿命の点ではよさそうですね。

しかし、一番大切なのは、『自分に合ったスポーツ』であることです。

重い腰(?)を上げて、初めの一歩を踏み出しましょう。

 

参考文献)

1) Hidde P et.al: Sitting Time and All-Cause Mortality Risk in 222497 Australian Adults.Arch Intern Med 2012

2) Peter Schnohr et al : Various Leisure-Time Physical Activities Associated With Widely Divergent Life Expectancies: The Copenhagen City Heart Study : Mayo Clinic proceedings. 2018 12;93(12);1775-1785. pii: S0025-6196(18)30538-X.