サインバルタ
女性笑顔

長い間 腰痛で苦しんでいます。

先日 整形外科を受診したら、”サインバルタ”という薬をもらいました。

1か月くらい飲んでいるのですが、段々と楽になってきている感じがするのです。

医者正面

良い薬をもらいましたね。

”サインバルタ”は、今までの薬とは違う部分に働きかけて効果を発揮するのです。

しかも、『自転車や車を運転できない』という制限もありません。

 サインバルター慢性腰痛症の薬

このページでは、主に慢性腰痛症に対するサインバルタの特徴について書きます。

どんな人がサインバルタを飲むの?

なかなか腰痛が治らない人

腰痛に関していうと、3か月以上腰痛が続く場合にサインバルタを使うことがあります。

『痛みがすっきりしない』といった人には 特に効きやすい印象があります。

 

慢性腰痛症以外にも使用することができます。

添付文書(薬の説明書)に書いてある病名を書きます。

〇うつ病・うつ状態
〇下記疾患に伴う疼痛
糖尿病性神経障害
線維筋痛症
慢性腰痛症
変形性関節症

慢性腰痛症以外にも、幅広い病気に使えるのですね。

サインバルタの特徴は

他の薬とは違う部分に働きかける

腰痛によく使われる薬と その特徴を書きます。

作用する部分 車の運転 代表的な副作用
サインバルタ 痛みを抑える神経・脳 嘔気・眠気
ロキソニン
ボルタレン等
炎症 胃障害
リリカ 痛みを伝える神経 不可 急に激しく眠くなる
トラマール
トラムセット
不可 便秘・嘔気・眠気

薬が働きかける場所

先ず、サインバルタが働きかける部分を見てみましょう。

サインバルタは、痛みを抑える神経に直接働きかけます。

今までの薬とは違う部分に働きかけるんです。

特に、痛みが出だしてから3か月以上経った時から威力を発揮します。

慢性腰痛症の人は 痛みを抑える神経の働きが弱くなっていることがあり、そこを改善させるのです。

暴走 車

 

暴走した車に例えると・・・

ロキソニンアクセルを緩めようと働きかけるのに対して、

サインバルタブレーキを踏むように働きかけます。

つまり、サインバルタは痛みを抑えるためのブレーキを踏んでくれるのです。

ブレーキをかけて、早く痛みを止めたいですね。

 

車の運転禁止・・・ではない

サインバルタを飲むと、初めのうちは少し眠気が出ることもあります。

その眠気も 徐々に無くなってくることが多いです。

強い眠気が出ることは少ないので、車の運転は 注意をしていれば可能となっています。

表に書いてある、リリカ・トラムセット・トラマールといった薬は、薬を飲んでいる期間は車や自転車の運転はダメです。

学会のガイドラインでもサインバルタは推奨されている

腰痛診療ガイドライン2019の慢性腰痛で一番に推奨

なんと、『腰痛診療ガイドライン2019』の慢性腰痛に対する推奨役の中でも、推奨度・推奨薬採択時の合意率・エビデンスの強さを総合的に評価した結果、一番推奨される薬として載っています。

慢性腰痛の治療には欠かせない薬なんです。

サインバルタを使用するメリットは

将来的に薬をなくすことも視野に入れやすい

他の薬を減らせることも

サインバルタで痛みが減ってきたら・・・

・他の痛み止めを徐々に減らす

・痛いときだけロキソニンを追加して飲む

・さらに痛みが減ってきたらサインバルタも徐々に減らす

この様な方法で、薬を減らしていきます。

 

他の痛み止めの副作用を減らす観点からも、他の薬を減らしたいものですね。

最終的にはすべての痛み止めをやめられことも

更に、痛みがない状態が安定していれば・・・

サインバルタも含めた痛み止めを、全てやめてみるのも一つです。

痛みに関してバランスの取れた状態になると、全ての痛み止めを中止できます。

『サインバルタを始めたのがきっかけで 全ての痛み止めが中止出来た』といったことは、しばしば経験します。

車が運転できる

先ほども書きましたが、サインバルタなら車が運転できるのも 大きなメリットです。

『痛みは強いが 仕事で運転する必要がある』という人は多いです。

車を運転する人は、リリカ・トラマール・トラムセットは飲めません。

そこで、サインバルタの登場です。

ただし、眠くなる人もいるので、注意は必要ですよ。

こぼれ話

元々サインバルタは、抗うつ薬として日本に登場しました。

その後、慢性腰痛症・変形性関節症にも使用出来るようになりました。

整形外科医の中には『サインバルタは抗うつ薬』という認識があり・・・

不慣れな分野の薬なので、サインバルタを処方するのに抵抗がある人もいます。

 

今は、サインバルタは理論的にも”痛みを抑える神経”に作用することがはっきり分かっています。

その様な認識が徐々に浸透してきて、その結果 整形外科でもサインバルタが多く処方されるようになってきました。

 

参考文献)

腰痛診療ガイドライン2019 南江堂